2012年9月23日

宣明暦、七十二候、鶺鴒、頒暦、冲方丁


漢字クイズ(テーマ・暦)結果

9月10~14日の回答割合は次の通り(★が正解)。
宣明暦 せんみょうれき★ 54% せんみんれき 17% せんめいれき 29%
七十二候 しちじゅうにこう★ 68% ななじゅうにこう 23% ひちじゅうにこう 9%
鶺鴒 かわせみ 5% せいれい 9% せきれい★ 86%
頒暦 はんれき★ 75% ふんれき 11% ぶんれき 14%
冲方丁 うぶかたとう★ 68% おきかたちょう 17% なかがたてい 15%

by houroumono
この週は「暦」がテーマでした。2010年本屋大賞の小説「天地明察」の映画化を意識したものです。この映画は毎日新聞社が出資していますが、だから選んだわけではなく、純粋に原作小説が出題者に刺激を与えてくれたからです。

ところで2012年の本屋大賞は三浦しをんさんの「舟を編む」。これと「天地明察」は舞台も題材も全く異なりますが、出題者の琴線に触れる共通する要素があります。「舟を編む」も映画化されて「天地明察」と同じく宮崎あおいさんがヒロインですが、強調したいのはそこではなく、ともに遠大なプロジェクトを描き、それに携わったベテランが亡くなる点が似ています。しかし、それは志半ばの不幸な死ではなく、自分の夢を確実に引き継いでくれる後輩がいることを見届けての、むしろ幸福な死です。「天地明察」の改暦も、「舟を編む」の辞書編集も、10年以上にも及ぶ大プロジェクトであり、決して主人公一人の力によるものではありません。それを一番わきまえているのが主人公たちであり、先輩や仲間への敬意を最大限に示すことが、さわやかな感動を呼ぶのです。

さて問題の正解率です。今回最も低かったのは「宣明暦」。高校の日本史では出てくる語ですが、学ばなかったり忘れていたりするとあてずっぽうになると思います。ただ、3択としては「せんみょう」が一番ありそうだという推測をした人も多いのではないでしょうか。

次に「七十二候」と「冲方丁」が同率。後者は「天地明察」の作者。難読作家名の代表で、某出版社の入社試験にも出たそうです。これは知らなければ3択でも難しいでしょう。その難読字と「七十二候」が同じ数字というのは意外ですね。

72を「ななじゅうに」を読んでしまうのは、「しち」が発音しにくいことなどが理由と思われますが、「十」「二」が音読みなので「なな」だけ訓というのは本来おかしいのです。ましてや七十二候は中国から来た言葉。「ななじゅうにこう」という読みを認めている辞書は見いだせません。かくいう出題者も「日本の七十二候を楽しむ」という本の広告を目にしたとき「ななじゅうにこう」と頭の中で読んでしまったので、偉そうなことはいえませんが。そういえば以前、二十四節気を「にじゅうよんせっき」と読んで後輩にふっと失笑されたなあ。

「頒暦」。「頒」は常用漢字であり「頒布」の頒だと分かれば正解できるはずですが、その「頒布」も日常語とはいえないので多少難読のきらいがあるようです。

常用漢字ではなく片仮名で書かれることの多い「鶺鴒」が今回最も高い正解率となりました。おそらく、うろ覚えでも「脊」「令」の字形から推測が容易だったのではないでしょうか。それが「頒布」との差に表れたのでしょう。

さて、早くも2013年の暦が書店に並ぶようになりました。「冲方丁氏推薦!」という帯をまとった「暦ものがたり」(岡田芳朗著、角川ソフィア文庫)によると「とにかく日本人は暦の好きな国民である」。その説に恥じない、正確な読みと知識を身につけたいものです。